2026-08-20
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なぜ試合中に泣いてはいけないのか|子どもがすぐ納得する意外な理由
「泣くな!泣いたら交代するぞ!」少年スポーツの現場では、こんな声を耳にすることが珍しくありません。ベンチから監督が叫び、グラウンドでは子どもが泣きじゃくる。親としても指導者としても、胸がキュッとなる瞬間です。
私自身、ソフトボールを教える立場になってから、この場面に何度も出会いました。そして、どう声をかけるのが一番良いのか、長いこと考えてきました。
「泣くな!」だけでは子どもは止まらない
多くの大人は、とっさに「泣くな!」と言ってしまいます。でも、これがなかなか効かない。
感情はコントロールできるものではないし、「泣いちゃダメ」と思えば思うほど、逆に涙はあふれてきます。大人だってそうでしょう。失敗したときに「落ち込むな」と言われても、すぐに元気になれるわけではありません。
昔ながらの「気合で乗り越えろ!」という指導は、今の子どもには合わないケースも多いのです。結果として、ますます泣き続けてしまい、試合にも練習にも集中できなくなる。これでは本人にとっても、周りにとっても良くありません。
私の答えは「泣くとボールが見えなくなるから危ない」
そんな時、私が子どもたちに伝えるのは、とてもシンプルな理由です。
「泣くとボールが見えなくなるから危ないよ」
涙で目がにじむと、ボールがよく見えません。バットを振っても当たらないし、グローブにボールを収めるのも難しい。そして何より、顔や体に当たってケガをするリスクが一気に高まります。
だから私は「危ないから交代するね」と伝えるのです。これは性格や気持ちの強さとは関係ありません。安全のために必要なルールとして、誰にでも適用できる理由なのです。
子どもがスッと泣き止む理由
驚くかもしれませんが、この言い方をすると、ほとんどの子どもはすぐに泣き止みます。
「泣くな!」と頭ごなしに言われると、感情を否定されたようで余計に涙が出ます。一方、「危ないから」という説明は、本人にも納得できる理由です。
- 自分の安全を守るため
- チームに迷惑をかけないため
- 誰にでも当てはまる公平なルール
こうした納得感があるから、子どもは自然と涙を止めることができるのです。
子どもごとに言葉を変えなくてよくなった
このアプローチには、いくつかの大きなメリットがあります。
- 性格に左右されない。気の強い子も、気が弱い子も、同じ説明で納得できる。
- 一貫した基準を持てる。指導者が子どもごとに言葉を変える必要がなく、公平に扱える。
- 前向きに切り替えられる。感情論ではなく「安全」という客観的な理由だから、子ども自身も気持ちを整理しやすい。
実際、小学生でも中学生でも、この言葉を伝えるとスッと落ち着いて、再びプレーに戻れるケースがほとんどです。
泣くこと自体は悪くない
ここで誤解してほしくないのは、泣くこと自体を否定するわけではない、ということです。
悔しくて泣く。思い通りにいかなくて泣く。それは子どもにとって自然なこと。
ただし、試合中に涙で視界がふさがると、危険が伴う。だから「一度ベンチに下がろう」「落ち着いてから戻ろう」と伝えるのです。
泣く=弱い、ではありません。泣く=危ない、だから休もう。そう切り替えて考えることで、子どももプライドを傷つけられずに前を向けます。
「危険だから交代」という基準を持つ
試合中に泣く子どもを前にして、どう声をかけるか迷ったとき。「泣くとボールが見えなくなるから危ないよ」という一言で、泣き止む子は驚くほど多いはずです。
親としても指導者としても、余計な心理戦をせずに済みますし、子どもも素直に受け止められます。
スポーツは本来、楽しいもの。勝ち負けも大切ですが、まずは安全にプレーすることが一番です。「危険だから交代」という基準を持つことで、子どもたちに安心感を与えつつ、強さや前向きさを育てていけるのではないでしょうか。
試合中に泣いてはいけない理由は、「気持ちを見せるな」でも「弱いところを出すな」でもありません。「泣くとボールが見えなくなるから危ない」。誰にでもわかりやすく、誰も否定されない理由です。
これからも私はこの言葉を使い続け、子どもたちと一緒に安全に、そして楽しくソフトボールを続けていこうと思います。

