2026-08-18
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見抜かれていたのは、子どもではなく私の“仮面”だった
小学生や中学生にソフトボールを指導して、もう15年以上になります。その中で一番強く学んだのは、子どもでも大人の“仮面”をすぐに見抜くということでした。こちらが格好をつけたり、威厳を演じたり、子ども扱いをした瞬間に、「あ、この人は本気じゃないな」と気づかれてしまいます。
子どもは大人の“仮面”をすぐに見抜く
子どもたちは、大人が思っている以上に敏感です。
だから、私が心がけてきた鉄則は一つです。子どもを一人の人間として向き合うこと。これはスポーツ指導だけでなく、日常生活のあらゆる場面に通じる真理だと感じています。
「やれ!」と言ったとき、形だけが動いていた
ソフトボールの練習中、選手たちに「やれ!」と命令口調で指示したことがありました。しかし、そのときの子どもたちはただ形だけで動いているだけで、集中力も熱意も感じられませんでした。
ところが、「君はどう思う?」「この場面ならどう工夫する?」と問いかけて、一緒に考えるスタンスを取った途端に、子どもたちの表情は変わりました。
自分が尊重されていると感じたとき、人は自らの意志で動き出すのです。
子ども扱いの何が問題か
「子どもだから言うことを聞くだろう」——そんな思い込みは一瞬で崩れます。
教師や権威ある立場でない限り、子どもは大人を「従うべき存在」とは見ていません。むしろ、「尊敬できるか」「信頼できるか」で態度を変えます。大人の言うことを絶対に聞くなんて幻想なのです。
ではどうなるか。権力や威厳で抑えつけようとした瞬間に、相手は「はいはい」と表面的に返事をするだけの存在に変わってしまいます。表面上は従っているように見えても、内心では「この人の言葉は響かない」と線を引いている。これでは成長も成果も生まれません。
部下は「従うべき存在」ではない
この経験は、実は大人同士のビジネスの現場にもそのまま当てはまります。部下は「従うべき存在」ではなく、同じチームのメンバー。役割や経験値の差はあっても、人間としての尊厳は対等です。
ところが現実には、まだまだ“子ども扱いマネジメント”をしてしまう上司が多いのも事実です。知らないことを教える、アドバイスをする——それ自体は悪いことではありません。しかし、それが「上下関係を示す手段」になった瞬間に、部下は心を閉ざします。
上司の役割は、コントロールではなく環境をつくること
本来、上司の役割は「部下をコントロールすること」ではなく「部下が力を発揮できる環境をつくること」です。役割を果たす立場として関わるからこそ、信頼が生まれます。そして信頼があるからこそ、チームは成果を上げることができるのです。
押さえつけられて動くのか、自分の考えを尊重されて動くのか。この差は、チームの成果に直結します。
「子ども扱いをやめる」こと。これが私が15年以上の現場で学んだ最大の教訓です。部下も子どもも、人として認められることで力を発揮します。威厳ではなく、信頼で人は動く。
いま自分がいちばん動いてほしいと思っている相手を、私は一人の人間として見ているだろうか。

