引き継ぎExcelの取扱説明書 使い方マニュアル
このマニュアルは、パソコンにあまり慣れていない方でも、上から順に読んで同じように操作すれば使えるように書いています。
わからない言葉が出てきたら、いちばん下の「言葉の説明」を見てください。
この道具でできること
異動や退職で引き継いだExcelファイルを画面に置くだけで、そのファイルの「取扱説明書」を作ります。
- どのシートが何をしているか
- 数字がどこから来ているか(図で見られます)
- 毎月、どこを書き換えればよいか
- 触る前に気をつけたほうがよい所
- 前任者に聞いておくことのリスト
できた取扱説明書には、自分でメモを書き足して保存できます。そのまま引き継ぎの資料になります。
安心して使っていただくために(この道具の約束)
| 約束 |
くわしく |
| ファイルを外に送りません |
インターネットにつながっていないパソコンでも動きます。心配なときは、Wi-Fiを切った状態で使ってみてください。同じように動きます。 |
| ファイルを保存しません |
読んだ内容は、画面を閉じると消えます。 |
| ファイルを書き換えません |
読むだけです。元のExcelファイルは変わりません。 |
| マクロを動かしません |
マクロ(Excelの自動処理)が入っていても、実行はしません。名前などを読むだけです。 |
| AIを使いません |
決まった規則で読み取っています。 |
会社のパソコンで使う前に: 社内で「外から入手したファイルを使ってよいか」の決まりがある場合は、それに従ってください。
準備するもの
| もの |
説明 |
| この道具のファイル |
受け取った excel-torisetsu.html(ファイル1つ) |
| パソコン |
Windows でも Mac でも使えます |
| ブラウザ |
インターネットを見るためのアプリです。Google Chrome または Microsoft Edge をおすすめします(Windowsのパソコンには、たいてい Microsoft Edge が入っています)。Mac の Safari でも開けますが、動作の確認はこれからです |
| 引き継いだExcelファイル |
ファイル名の最後が .xlsx または .xlsm のもの |
全体の流れ
- 道具を開く
- Excelファイルを置く
- 取扱説明書を読む
- メモを書き足して、保存する
ひとつずつ説明します。
1. 道具を開く
- 受け取った
excel-torisetsu.html というファイルをダブルクリック(マウスの左ボタンを素早く2回押す)します。
- ブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome、Safari など)の新しい窓、または新しいタブに移ります。
- このファイル1つに、道具とこのマニュアルの両方が入っています。インストール(パソコンに組み込む作業)は要りません。
- 次のような画面が出れば成功です。
最初の画面
画面のいちばん上に「引き継ぎExcelの取扱説明書」、その横に緑の丸と「ファイルは外に送られません」と出ています。
このマニュアルを開くには
画面のいちばん上の段の右端にある、白い四角のボタン「使い方」を押します。
- このマニュアルの画面に移ります。
- マニュアルの上の段にある青い「← 元の画面に戻る」ボタンを押すと、押す前の画面に戻ります。取扱説明書を作ったあとに開いても、戻れば作った取扱説明書や書いたメモはそのまま残っています。
- 「マニュアルを印刷する」ボタンで、マニュアルだけを印刷できます。
うまく開けないとき
| こうなった |
ありそうな理由 |
こうする |
| 文字や記号がずらっと並んだ画面が出た |
ブラウザではなく、文章用のアプリ(メモ帳・テキストエディットなど)で開いた |
そのアプリを閉じる。excel-torisetsu.html の上で右クリック(Macはトラックパッドを2本指でクリック)→ Windowsは「プログラムから開く」、Macは「このアプリケーションで開く」→「Microsoft Edge」「Google Chrome」「Safari」のどれかを選ぶ |
| 「どのアプリで開きますか?」と聞かれた |
ふだん使うブラウザが決まっていない |
一覧から「Microsoft Edge」または「Google Chrome」を選んで「OK」 |
| 画面が真っ白のまま、またはボタンを押しても何も起きない |
ZIPファイル(いくつかのファイルを1つにまとめたもの。名前の最後が「.zip」)の中から、直接開いている。または、会社のパソコンの設定で制限されている |
ZIPファイルの上で右クリック(Macはトラックパッドを2本指でクリック)→ Windowsは「すべて展開...」→「展開」、Macはダブルクリックで中身を取り出してから、取り出した excel-torisetsu.html を開く。それでもだめなら、社内のパソコン担当の方に「パソコンに保存したHTMLファイルをブラウザで開きたい」と相談する |
2. Excelファイルを置く
やり方は2つあります。どちらでも同じ結果になります。
やり方A:ドラッグして置く
- 道具の画面はそのままにして、別の窓でエクスプローラー(Macは Finder)を開き、引き継いだExcelファイルを探します。
- Excelファイルをクリックしたまま、道具の画面の点線の四角の中まで動かします。
- 点線の四角が薄い青色に変わったら、指を離します。
ファイルを置く(点線の枠が青くなったら指を離す)
やり方B:ボタンで選ぶ
- 点線の四角の真ん中にある、青い「ファイルを選ぶ」ボタンを押します。
ファイルを選ぶボタン
- ファイルを選ぶ小さな窓が開きます。
- 窓の左側から、Excelファイルがある場所(「ドキュメント」「デスクトップ」など)をクリックします。
- 右側に出たExcelファイルをクリックして、窓の右下の「開く」を押します。
置いたあと
「取扱説明書を作っています」という画面と、青い棒が伸びていく様子が出ます。ふつうは数秒、大きなファイルでは数十秒かかります。その画面のまま待ってください。
3. 取扱説明書を読む
できあがると、次のような画面に変わります。
取説の最初の画面
- 左側の目次(①〜⑩)を押すと、その章に飛びます。スマートフォンのように画面が狭いときは、目次は上に並びます。
- 画面の上の段には、保存などのボタンが並んでいます(手順4で使います)。
まずはこの3つを読んでください
| 順番 |
章 |
わかること |
| 1 |
④ 毎月さわる場所 |
引き継いだ翌月、どのセルを書き換えればよいか |
| 2 |
⑧ 触る前の注意点 |
うっかり壊しやすい所、知らないと困る所 |
| 3 |
⑨ 前任者に聞くことリスト |
前任者がいるうちに、聞いておくこと |
④ 毎月さわる場所
各章の中身
| 章 |
何が書いてあるか |
| ① このファイルの概要 |
シートの数、数式の数、マクロの有無、注意点の数など、全体の大きさ |
| ② シートの一覧と役割 |
各シートが「入力する所」「計算する所」「結果を見る所」「参照用の表(マスタ)」のどれか(道具の推定)と、その根拠 |
| ③ 数字の流れ図 |
「このシートの数字は、あのシートから来ている」を矢印で表した図。箱にマウスを重ねると、くわしい名前が出ます |
| ④ 毎月さわる場所 |
数式から使われているのに、手で値が入っているセル=入力する場所の候補 |
| ⑤ 計算の中身 |
数式を日本語に訳したもの。元の数式も並べています |
| ⑥ マクロの一覧 |
マクロの名前、どのボタンから動くか、触っていそうなもの(意味の説明まではしません) |
| ⑦ 外とのつながり |
このファイルが参照している、別のファイル |
| ⑧ 触る前の注意点 |
隠れたシート、数式の途中に手で入れた数字、エラーが出ているセル など |
| ⑨ 前任者に聞くことリスト |
⑥〜⑧をもとに、道具が作った質問。回答メモを書けます |
| ⑩ 書き足し欄 |
自由にメモを書ける欄 |
③ 数字の流れ図
読むときの注意
- 「推定」「候補」と書いてあるものは、道具の見立てです。違っていることもあります。 違っていたら、書き足し欄に正しいことを書いておいてください。
- ⑧の注意点は「間違い」という意味ではありません。「知っておいたほうがよい所」です。
Excelで、そのセルを探すには
取扱説明書には「B2」「A2:D41」のようなセルの番地が出てきます。
- Excelでファイルを開き、そのシートの見出し(画面の下に並んでいるタブ)をクリックします。
- 画面の左上、列の記号(A・B・C…)が並ぶ段のすぐ上の段のいちばん左にある、白くて小さな欄(「名前ボックス」と呼びます。今選んでいるセルの番地が出ています)をクリックします。
- 番地(例:
B2)を入れて、Enter キーを押すと、そのセルに移ります。
「A2:D41」は、「A2 から D41 までの四角い範囲」という意味です。
4. メモを書き足して、保存する
メモを書く
- 各章のいちばん下に「書き足し欄」があります。前任者から聞いたことや、気づいたことを書けます。
- ⑨の各質問の下には「回答メモ」の欄があります。
⑨ 前任者に聞くことリスト(回答メモを書いたところ)
保存する
- 画面の上の段にある、青い「取説を保存(見る用・HTML)」ボタンを押します。
保存ボタン
- 取扱説明書のファイルが、ふだんのダウンロード先(多くは「ダウンロード」フォルダ)に保存されます。ファイル名は
取扱説明書_元のファイル名_日付.html です。
- 保存したファイルは、ダブルクリックするとブラウザで開けます。 書いたメモも入っています。
大事:書いたメモは、画面を閉じると消えます。閉じる前に、必ず保存してください。(メモを書いたあと、保存せずに閉じようとすると、確認の表示が出ます)
ほかの保存のしかた
| ボタン |
こんなとき |
| 取説を保存(見る用・HTML) |
ふつうはこれ。自分で見返す、後任の人に渡す |
| 文章で保存(Markdown) |
文章を、他の資料やメモのアプリに貼り付けたいとき |
| 印刷・PDFにする |
紙に印刷したいとき。PDFにしたいときは、印刷の画面で、Google Chrome は「送信先」、Microsoft Edge は「プリンター」の欄から「PDF に保存」(「PDF として保存」)を選ぶ。Mac の Safari は、印刷の窓の左下の「PDF」を押す |
別のファイルを読むとき
画面の上の段の、いちばん右「別のファイルを読む」を押すと、最初の画面に戻ります。
困ったとき
読めないファイルを置いたときは、次のような画面が出ます。書いてある方法を試してから、青い「最初の画面に戻る」を押して、もう一度置いてください。
読めないファイルを置いたときの画面
| こうなった |
ありそうな理由 |
こうする |
| 「古い形式(.xls)のExcelファイルは、今のところ対象外です」と出た |
ファイル名の最後が「.xls」の古い形式 |
Excelでそのファイルを開く →「ファイル」→「名前を付けて保存」→「ファイルの種類」で「Excel ブック (*.xlsx)」(マクロ入りなら「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」)を選んで保存 → 保存し直したファイルを置く |
| 「パスワードがかかったファイルは読めません」と出た |
ファイルを開くときにパスワードが要る |
社内の決まりを確認のうえ、パスワードを外したコピーを作って置く(元のファイルは残しておく) |
| 「このファイルは読めませんでした」と出た |
ファイルが壊れている、Excel以外のファイル、クラウド上にしかないファイル など |
Excelで開けるか確かめる。OneDrive や SharePoint、Teams にあるファイルは、一度パソコンに保存(ダウンロード)してから置く。Excelで開いたままなら、Excelを閉じてからもう一度置く |
| 「CSVファイルは対象外です」と出た |
CSV(カンマで区切ったデータだけのファイル)には計算式がない |
そのCSVを使っている元のExcelファイル(.xlsx / .xlsm)を置く |
| 「時間がかかる可能性があります」と出た |
ファイルが大きい |
「OK」を押して待つ。何分待っても終わらないときは、画面を閉じて、パソコンの他のアプリを閉じてから、もう一度試す |
| 点線の四角にファイルを置いても何も起きない |
点線の四角の外で指を離した |
もう一度、四角が薄い青色に変わるのを確かめてから指を離す。または、やり方B(ボタンで選ぶ)を使う |
| 保存ボタンを押しても、ファイルが見つからない |
保存先がいつもと違う |
ブラウザの右上に出る下向き矢印のアイコン(ダウンロードの一覧)を押すと、保存したファイルが出ます |
| 説明が実際と違う |
道具の推定が外れた |
書き足し欄に正しいことを書いて保存する |
画面の右上の「使い方」ボタンを押すと、このマニュアルがいつでも見られます。
よくある質問
Q. 本当にファイルは外に送られていませんか?
A. はい。この道具は、インターネットに接続しない作りになっています。Wi-Fiを切った状態でも同じように動くので、確かめてみてください。
Q. マクロが入ったファイルを置いても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。この道具はマクロを動かしません。マクロの名前などを読むだけです。
Q. 元のExcelファイルは変わりますか?
A. 変わりません。読むだけです。
Q. 数式の日本語訳は正しいですか?
A. 決まった規則で訳しているため、ふつうの数式ならほぼその通りの意味になります。ただし、とても複雑な数式や、用意していない関数は訳せません。その場合は、元の数式をそのまま表示します。必ず元の数式と見比べてください。
Q. マクロの中身の意味も説明してくれますか?
A. しません。マクロの意味を正しく説明するには、プログラムを深く読む必要があり、この道具では確実にできないためです。そのかわり、⑨「前任者に聞くことリスト」に、前任者への質問を入れています。
Q. スマートフォンでも使えますか?
A. 画面は表示できますが、Excelファイルを置く操作がしにくいため、パソコンでの利用をおすすめします。
この道具でできないこと(今の版)
- 古い形式(.xls)、バイナリ形式(.xlsb)、Googleスプレッドシートは読めません
- パスワード付きのファイルは読めません
- マクロの意味の説明はしません
- 複数のファイルをまとめて読むことはできません(1つずつ置いてください)
- グラフが参照している範囲や、ピボットテーブルの元データの場所までは調べません
言葉の説明
| 言葉 |
意味 |
| シート |
Excelファイルの中の1枚1枚の表。画面の下にタブ(見出し)が並んでいます |
| セル |
表のひとつひとつのマス |
| セルの番地 |
セルの場所を表す記号。「B2」はB列の2行目 |
| 範囲 |
「A2:D41」のように、コロン(:)でつないだもの。A2 から D41 までの四角い範囲 |
| 数式 |
「=」で始まる計算の式。例:=SUM(B2:B6) |
| 関数 |
数式の中で使う計算の命令。SUM(合計)、VLOOKUP(表から探す)など |
| 参照 |
数式が、別のセルの値を使うこと |
| マクロ |
Excelに組み込まれた自動処理のプログラム。ボタンを押すと動くことが多い |
| 非表示のシート |
画面に出ないように隠されたシート |
| 強い非表示 |
Excelのふつうの操作では再表示できないように隠されたシート |
| 名前の定義 |
セルや範囲に付けた「あだ名」。例:B3 に「消費税率」という名前を付ける |
| テーブル |
Excelの「テーブルとして書式設定」をした表 |
| 外部参照 |
別のExcelファイルの値を使うこと |
| 循環参照 |
計算がぐるっと自分自身に戻ってくる状態 |
| INDIRECT・OFFSET |
参照先を計算で決める関数。参照先が変わりやすく、追いかけにくい |
| マスタ |
商品の一覧、社員の一覧など、探すために使う表 |
| ブラウザ |
インターネットを見るためのアプリ。Microsoft Edge、Google Chrome、Safari など |
| ZIPファイル |
いくつかのファイルを1つにまとめたもの。使う前に「展開」する |