2026-10-28
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「もっと主体的に動け」は、彼らには「ルール違反をしろ」と聞こえている
「指示したことは完璧にやる。でも、それ以外のことは何もしない」。期待していた「行動力おばけ」ではなく、まさかの「指示待ち人間」だった……。このギャップに頭を抱えている上司の方、実はけっこう多いんです。
「やっぱり体育会系は違うね!」「ガッツがあるし、行動力がすごい!」
採用面接の時、そんなふうに評価して採用したはずの新人。いざ現場に配属してみたら、あれ? と思うこと、ありませんか。
「言われた通りには動くけれど、自分から提案が出てこない」
でも、ちょっと待ってください。彼らは決して、やる気がないわけではないんです。
むしろ、誰よりも真面目で、誰よりも一生懸命やろうとしている。それなのに、なぜ動けないのか。
今日は、そんな「体育会系部下の取扱説明書」について、少しお話ししようと思います。彼らの頭の中で何が起きているのか。そこが分かると、見え方が変わってくるはずです。
監督のサインは「絶対」という世界
結論から言いますね。彼らが動かない最大の理由。それは、彼らが長年身を置いてきた世界では、「勝手に動くことは罪」だったからです。
想像してみてください。野球の試合中、ランナーに出た選手が、監督のサインも見ずに勝手に盗塁したらどうなるか。
たとえセーフになったとしても、ベンチに戻れば怒られます。「なんで勝手なことをしたんだ!」と。
チームスポーツ、特に規律を重んじる体育会系の組織では、「個人の判断」よりも「組織の統制」が優先されます。
- 監督のサインは絶対
- 組織のルールは絶対
- 先輩の言うことは絶対
その環境で、青春のすべてを捧げてきた彼らです。「言われたことを、言われた通りに、120%の力で実行する」ことに関しては、プロフェッショナルな訓練を受けてきています。
彼らの足を止めている「無意識のブレーキ」
そんな彼らに、いきなりビジネスの現場でこう言うわけです。
「もっと主体的に動け」「いちいち聞かずに自分で考えろ」
これ、彼らにとっては「ルール違反をしろ」と言われているのと同じくらいの恐怖なんですよね。
「勝手に動いてミスしたら、チーム(会社)に迷惑がかかる」
「指示されていないことをするのは、生意気だと思われるんじゃないか」
そんな「無意識のブレーキ」が、彼らの足を止めている正体なんです。
「指示」をやめて「問いかけ」にする
「じゃあ、どうすればいいの?」「ずっと指示を出し続けないといけないの?」そう思いますよね。
ここで、彼らの「OS」を少しだけアップデートしてあげる必要があります。効果的なのは、指示を「問いかけ」に変えることです。
「Aをやっておいて」と言うと、彼らは「はい!(Aをやればいいんですね)」となります。これで思考終了。
そこを、こう変えてみるんです。「この件、Aという方法もあると思うんだけど、〇〇くんならどう進める?」
最初は戸惑うかもしれません。「えっ、正解(監督のサイン)を教えてくれないの?」と不安そうな顔をするでしょう。
でも、ここでじっと待つんです。彼らの口から「……僕なら、こう思います」という言葉が出てくるのを。
そして、彼らが自分で考えたプランに「それ、いいね。やってみよう」とGOサインを出す。
これを繰り返すことで、彼らの脳内に新しい回路ができます。
「あ、この世界では、自分で考えて動いても怒られないんだ」
「むしろ、考えないと評価されないんだ」
この気づきこそが、彼らの「指示待ちロック」を解除する鍵になります。
ロックが外れた体育会系は最強である
時間はかかるかもしれません。でも、諦めないでほしいんです。
なぜなら、一度「自分で考えて動くOS」に書き換わった体育会系人材は、めちゃくちゃ強いから。
もともと、基礎体力はある。理不尽なことにも耐えられる精神力もある。決めたことを継続する力も、チームのために献身的に動くマインドも持っている。
そこに「自走する力」が加わったら、まさに鬼に金棒。あなたが最初に期待した通りの、いや、それ以上の「行動力おばけ」に化ける可能性を秘めているんです。
彼らの「素直さ」や「従順さ」は、決して欠点ではありません。ただ、使い方が少しだけ、ビジネスの現場とズレているだけ。
そのズレを修正してあげるのが、上司であるあなたの、新しい「コーチング」なのかもしれません。

