2026-09-26

「違うんだよな」って、言いたくて言ってるわけじゃないんですよね。むしろ、「惜しいなぁ」という気持ちに近い。部下が一生懸命に仕上げてくれた資料を見て、「違うんだよな」と感じた瞬間、心のどこかで「ごめん」と思っている。

 

ちゃんと伝えたつもりが、いちばんズレる

 

――そう、上司だって人間です。

 

ちゃんと伝えたつもりなのに、どうもニュアンスが伝わっていなかったり、ゴールのイメージが違っていたりする。でもその「ちょっとしたズレ」が、チームの時間を奪ってしまうんですよね。

 

曖昧な指示が生むのは、誤解ではなくムダ

 

「とりあえずやってみて」「ざっくりでいいから」。この一言、便利なんです。でも、受け取る側からするとけっこうハードルが高い。

 

「ざっくり」の基準が人によって違うから、やり過ぎてしまったり、逆に浅すぎたり。そして最終的に出るのが、「違うんだよな」。

 

決して部下が悪いわけではなくて、そもそもゴールが共有されていなかっただけ。つまり、曖昧な指示が生むのは誤解ではなく、ムダ。お互いの努力を無駄にしてしまう、悲しいすれ違いなんです。

 

明確な指示とは、完成形と優先順位を共有すること

 

「明確に伝える」というと、なんでも細かく説明しなきゃいけないと思うかもしれません。でも、本当に必要なのは全部を話すことではなくて、どこを目指しているかを共有することなんです。

 

たとえば――

 

  • どんな状態になっていたら「OK」なのか
  • どの部分を一番大切にしてほしいのか
  • どこまでを今日中に、どこからを後回しにするか

 

これを明確にするだけで、部下は自信を持って動けるようになります。指示を出すというより、「未来の完成図を一緒に描く」感覚です。

 

「上司の上司」案件こそ、上司同士のすり合わせが命

 

中間管理職の方ならきっと共感してもらえると思うんですが、「上司の上司」から直接仕事を頼まれたときって、正直やっかいですよね。上からの指示が少し曖昧なまま降ってくると、下に伝える段階でどうしてもズレが生じてしまう。

 

そんなときこそ、上司同士のすり合わせをしておくことが大事なんです。

 

  • どこまで求めているのか
  • 何を最優先にすべきか
  • どの基準で「完了」とするのか

 

この3つを上の人と共有しておくだけで、現場の混乱はかなり防げます。それをせずに下にそのまま渡すのは、迷いごとを丸投げしているようなもの。上司が引き受けるべきは「判断の不安」なんだと思います。

 

手戻りが続くと、信頼が無くなっていく

 

部下が頑張って仕上げたものをやり直すとき、上司の側もつらいですよね。でも、その何倍もつらいのは部下です。

 

「なんだよそれー」とは言わないけど、心の中でそう思っているかもしれない。この小さな「なんだよそれー」が積み重なると、いつの間にか、信頼度が下がってしまいます。

 

やる気がないわけじゃない。ただ、「また変わるかもしれない」と思うと、人は慎重になるんです。だからこそ、明確な指示は信頼を積み上げるための第一歩なんですよね。

 

明確な指示は、部下を守るための優しさ

 

「ちゃんと伝えること」は、厳しさではなく、優しさです。部下の努力を守り、時間を大切にするための優しさ。

 

上司の仕事は、管理することではなく、迷いを減らすことなんだと思います。明確な指示は、相手を動かすための命令ではなく、安心して動けるための支えなんです。

 

「違うんだよな」と言わずに済む職場は、空気が澄んでいる

 

上司が明確に指示を出せるチームは、やることがはっきりしているから、無駄なストレスが減ります。それは効率の話ではなく、空気の話。安心して話せて、信頼できる空気。

 

その空気の中で、部下は伸びやかに動けるし、上司も余計なイライラから解放される。「違うんだよな」と言わずに済む職場は、みんなが同じ方向を見ている職場なんだと思います。

 

今日も忙しい中でチームを動かしているあなたへ。今日出したあの指示、完成形はどこまで共有できていたでしょうか。