2026-10-25

スポーツ観戦をしていると、たまに「あ、この試合決まったな」と思う瞬間がありませんか? 実力差があるわけでもない。それなのに、片方のチームだけが崩れていく。勝敗を分けるのは、いつだってこの「修正力」の差なんですよね。

 

片方のチームは、相手の予想外の動きに対して、ベンチも選手もパニックになっている。もう片方は、淡々とフォーメーションを変え、攻め手を変えている。

 

「事前に決めた作戦」にしがみつくチームと、「目の前の現実」に合わせて書き換えるチーム。

 

今日は、そんなスポーツの試合中のようなヒリヒリした現場で、僕たち中間管理職がどう振る舞うべきか。「試合中に回すPDCA」という話をしたいと思います。

 

ビジネス現場は「生き物」である

 

会社という組織にいると、どうしても「計画(Plan)」が神格化されがちです。年度初めに立てた予算、プロジェクトの工程表、個人の目標設定。それらはもちろん大事です。

 

でも、いざ期が始まれば、市場は変わるし、競合は動くし、メンバーは風邪を引く。

 

それなのに、「計画通りに進んでいない!どうにかして追いつけ!」と、ベンチから怒鳴り続ける監督(上司)。これ、スポーツなら完全に負けフラグですよね。ビジネスの現場も同じです。

 

PDCAというのは、1年に1回とか、四半期に1回回すような「大きな円」だけではありません。もっと高速で、なんなら分単位で回す「試合中のループ」こそが、本当の成果を生むんです。

 

「エラー」は失敗ではなく「データ」

 

試合中にPDCAを回す上で、一番の邪魔になるのが「完璧主義」です。計画通りにいかないことを「失敗」と捉えてしまうと、修正への一歩が遅れる。

 

スポーツの名将たちは、ミスをどう捉えているか。彼らにとってのエラーは、「相手の攻略法を探るためのデータ」なんです。

 

「この攻め方だと止められるのか。じゃあ次はこうしよう」「あっちの守備が甘いな。狙ってみよう」

 

そうやって、目の前の「現実」というデータを元に、Plan(作戦)をその場で書き換えていく。Do(実行)して、Check(観察)して、またAct(修正)する。

 

この「高速修正」こそが、現場を預かる中間管理職の最大の武器になります。

 

「任せる」という最強の戦術

 

そしてもう一つ。監督(あなた)が、フィールドの外から全てを指示することは不可能です。声は届かないし、ピッチ上の選手にしか見えない景色があるから。

 

だからこそ、「任せる覚悟」が必要になります。

 

「基本の作戦はこれ。でも、現場でヤバいと思ったら、あなたの判断で変えていい」

 

そう言えるかどうか。部下(選手)に、「プランを破る勇気」を持たせることができるか。

 

それができれば、チームは生き物のように「自律的」に動き始めます。いちいちベンチの顔色を伺ってパスを出す選手なんて、怖くもなんともないですからね。

 

混沌の中で、よりマシな判断を積み重ねる

 

中間管理職の仕事は、きれいな計画書を作ることではありません。「混沌(カオス)の中で、よりマシな判断を積み重ねること」です。

 

予定通りになんて、いかなくて当たり前。むしろ、「おっと、そう来たか」と不測の事態を面白がるくらいの余裕が、チームに安心感を与えます。

 

あなたのチームは今、ガチガチの「作戦至上主義」になっていませんか? それとも、選手の判断で動ける「修正自在」なチームですか?

 

もし、計画通りにいかなくて胃がキリキリしているなら、一度、ベンチに座って深呼吸してみてください。そして、ピッチにいる彼らを信じて、こう呟いてみるんです。

 

「さあ、どう修正してくるか見せてもらおうか」と。

 

ビジネスという終わりのない試合を、もう少しだけ楽しんでみませんか。それができる人が、本当の意味での「強いリーダー」なのだと思います。